日本 「人工呼吸器 増産」急げ! 新型コロナウイルス治療の人工呼吸器が世界的不足 軍も協力し増産態勢(自動車メーカーまで動員)

日本も急げ! 

(3Dプリンターで人工呼吸器代用装置、データ無償提供 広島大などのチームが新型コロナ受け) 
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自動車メーカーまで動員(海外・・・)
イタリア、英国、米国を含む国々では、人工呼吸器を増産するため、自動車メーカーや航空宇宙メーカーの協力を得ようとしている。   

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新型コロナウイルス治療の人工呼吸器が世界的不足 軍も協力し増産態勢(自動車メーカーまで動員)


 3月6日、イタリアの人工呼吸器メーカーのトップであるジャンルカ・プレチオーザ氏は緊急の要請を受け取った。イタリア当局が人工呼吸器に対する緊急のニーズに総力を挙げて応えるため、彼に協力を求めたのだ。

彼の企業、つまりボローニャに本社を置くシアレ・エンジニアリング・インターナショナル・グループでは、現在25人の陸軍技術者が同社の生産管理者と力を合わせ、増産の手配や機械の組み立てを支援している。プレチオーザ氏によれば、陸軍は同社の下請会社にも人員を提供しているという。

ロイターの取材に応じたプレチオーザ氏は、「通常、我が社の生産量は月160台だ。目標は4カ月で2000台、つまり従来の月間生産台数の3倍以上ということになる」と語った。同氏はさらに、人工呼吸器製造のサプライチェーンに含まれる各社は「ニッチ産業だけに、非常に大きな需要には対応できない」と話す。

シアレ・エンジニアリングはふだんなら波風の立たない医療機器市場の一角を占めているが、いまや、新型ウイルスの急速な拡大によって生じた、今世紀最大の医療危機の最前線に立たされている。インフルエンザに似ているが、重症例では呼吸困難と肺炎を引き起こす。

人工呼吸器メーカーは生産急拡大のプレッシャーを受けているが、折悪しく、パンデミックのせいで、ホースやバルブ、モーターや電子部品など、不可欠なパーツの輸送・サプライチェーンは途絶している。そのなかには、すでに全世界で1万人以上の死者を出した感染拡大の震源地・中国から輸入されるものもある。

人工呼吸器が不足するなかで、各国政府は軍の支援を求め、他製品のメーカーも動員し、さらには3Dプリンター技術にまで目を向けている。いずれも、命を救う可能性のある人工呼吸器の製造を拡大しようという狙いだ。イタリアでは、エミリアロマーニャ州の新型コロナウイルス対策担当長官によれば、複数の医師によるチームが1台の人工呼吸器から2人の患者に酸素を供給することで対応能力を倍増させる方法を開発した。

1台数万ドル(数百万円)のコストがかかる人工呼吸器は、空気・酸素を肺に送り込むことのできる呼吸装置だ。新型コロナウイルスによる疾病「COVID-19」が重症化した場合の合併症の1つ、肺炎を抱える患者の治療には不可欠である。だが、必ずしも人工呼吸器が患者の命を救うわけではない。

出荷先についての悩みも
英国で呼吸器疾患・救命救急医療の顧問医として働くラハルデブ・サーカー氏は、「集中治療室に入った患者の死亡率は50―60%と推測される」と語る。重篤な状態に陥った患者に人工呼吸器を使用できなければ、「数時間で死に至る」と同氏は言う。


人工呼吸器メーカーとして世界最大手の1つ、スイスのハミルトン・メディカルは、今年の生産台数を約2万1000台に増やしたいとしている。昨年は1万5000台だったが、マーケティング担当者も生産ラインに回すなどの措置を予定している。だが、対応できる範囲を超えた注文が殺到している今、同社はどこに製品を出荷すべきか、困難な判断に直面している。

ハミルトン・メディカルのアンドレアス・ウィーランドCEOによれば、同社は最も切実なニーズを抱える国、特にイタリアを優先しているという。ハミルトン・メディカルでは先週400台の人工呼吸器をイタリアに送り、近日中にさらに出荷できる見込みだ。だが、それは同時にいくつかの国の政府からの要請を断ることを意味する、とウィーランドCEOは言う。結果的に、ある国はハミルトン・メディカルを禁輸対象リストに載せることを示唆するという攻撃的な反応を見せているという。

「新型コロナウイルスの感染がほとんどないのに、対応準備として念のため人工呼吸器を確保しておくだけという国には出荷しないようにしている。最も厳しい緊急事態を抱える国のニーズに応えようとしている」とCEOは語る。

ハミルトン・メディカルによれば、人工呼吸器のグローバル市場は年間10億ドル以上の規模で、売上高のシェアでは同社が約4分の1を占めるという。他の人工呼吸器メーカーとしては、米国のレスメド、スウェーデンのゲティンゲ、ドイツのドレーゲルベルク、中国の北京誼安医療などがある。

各社によれば、中国での需要は頭打ちになったが、ウイルスの拡大が続くなかで、イタリアをはじめとする欧州諸国、米国からの需要は急増しているという。

製造のボトルネック
イタリアの病院は、医療スタッフの人手不足だけでなく、人工呼吸器その他の設備の深刻な不足にも悩まされている。イタリア国防省の広報担当者によれば、シアレで陸軍の技術者が働き始めてから最初の製品は、28日から出荷が始まるはずだという。

またイタリア政府は、3月上旬に入札で発注した人工呼吸器その他の設備を4000―5000台近く購入した。ドイツでは、感染拡大が始まる前に各病院が約2万台の人工呼吸器を保有していたが、連邦政府はドレーゲルベルクに1万台を発注した。これは同社による通常の年間生産台数に匹敵する。ドイツの医療機器メーカーであるレーベンスタイン・メディカル・イノベーションのフランス支社長を務めるクリストフ・ヘンツェ氏がラジオ「フランス・インフォ」で語ったところでは、フランスにおける人工呼吸器への需要は、通常は年間約1000―1500台だが、現在では週に数百台まで増加している。

英国の保健相は、「英国は手に入る限り、できるだけ多くの人工呼吸器を必要としている」と語った。

だが、国境を閉鎖する国、あるいは医療用品の在庫を確保するための措置を取る国もあるなかで、人工呼吸器のパーツを確保することも難しくなる可能性がある。

ハミルトン・メディカルのウィーランドCEOによれば、同社はルーマニアで人工呼吸器用ホースを製造しているが、「重要な医療機器である可能性」を理由として、ここ数週間、ルーマニア当局によって出荷が止められていたという。ウィーランドCEOは、ルーマニアの税関当局に輸出を認めさせるためには、同国駐在のスイス領事館による介入が必要だったと話す。

「こうした製品が、それ自体としてはルーマニアにとって価値のないものであることを知ってもらうためには、政治的な働きかけに頼らざるをえなかった」とウィーランドCEOは言う。

スイス外務省の広報担当者は「在ブカレスト大使がルーマニア当局に連絡したことが功を奏して、事態を打開できた」と話す。ルーマニア当局者にもコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。

中国の医療機器メーカー、北京誼安医療で調達担当ディレクターを務めるワン・スー氏によれば、同社は人工呼吸器の製造に欠かせないバルブやタービンといった主要コンポーネントを、スイスや米国、オランダといった国々からの輸入に頼っているという。だがグローバルに感染が拡大するなかで、世界各国にわたる供給元企業でも、必要なコンポーネントを作るための基本的な部品の一部が調達困難となる状況が生じている。

自動車メーカーまで動員
イタリア、英国、米国を含む国々では、人工呼吸器を増産するため、自動車メーカーや航空宇宙メーカーの協力を得ようとしている。各国当局は、大規模メーカーならば、一部の工場を転用し、3Dプリンター技術を含むデジタル設計能力を生かして、不足が予想される必要不可欠な医療機器を補うことができるのではないかと期待している。

英国では、政府がその他のメーカーにも目を向けている。スポーツカー製造事業を含むコングロマリットであるマクラーレン・グループでは、簡易型の人工呼吸器を設計する方法を検討中だ。また日産自動車は、既存の人工呼吸器メーカーの支援に向けて他社と協調しつつある。

20日、英国は、複数のエンジニアリング企業が救急用人工呼吸器の試作機を完成させ、翌週には認可が得られる見込みであると発表した。「生産可能な台数はすべて必要になるし、買い上げる予定だ」とマット・ハンコック英保健相は言う。

英国政府は、予備の人工呼吸器を約8000台に積み増したと述べている。英国民保健サービス(NHS)のトップは議会委員会において、今後数週間で1万2000台弱まで増やせると予想している、と説明した。

国境という壁
米国の人工呼吸器メーカー、レスメドのミック・ファレルCEOは、通常の4倍以上に達している需要に対応するため、他の機器の生産からリソースを振り向けたと話している。

1つ問題なのは、新型コロナウイルスの拡散を食い止めることを意図した渡航制限である。これによって、隣国マレーシアの労働者を多数雇用している同社シンガポール工場に影響が出ている。ファレルCEOによれば、レスメドは、マレーシアの労働者がシンガポールに入国できるようマレーシア政府に直訴したという。

全米病院協会のナンシー・フォスター副会長によれば、旧式の人工呼吸器を復活させることを検討している。まだ機能するのに、現代の電子記録システムと接続できないという理由で交換されてしまったものだ。また、国防総省からは2000台の人工呼吸器が寄贈されたという。「各病院では、麻酔を行うための機器を人工呼吸器に転用することも検討している」と同副会長は言う。

米ジョンズ・ホプキンス医療安全保障センターがまとめた調査によれば、米国全体では約16万人に人工呼吸機能を提供できる機器があるという。だが、新型コロナウイルスによる被害が最も大きい州では、現在、人工呼吸器の追加を緊急に求めている。たとえばニューヨーク州では、現在用意されている約5000―6000台をさらに増やしたいとしている。アンドリュー・クオモ州知事は、手持ちの数では、潜在的な需要の5分の1にしか対応できないと述べている。

ワシントン州ボセルで持ち運び可能な人工呼吸器を製造するベンテック・ライフ・システムズのクリス・キプルCEOは、「全国的なニーズがどれくらいあるかは実際のところ誰にも分からない。COVID-19がどこまでひどくなるかに掛かっている」と話す。

「本当に深刻なパンデミックになったら、ワクチンが開発されるまでのあいだ、命を救うために人工呼吸器の供給に注力せざるをえないことになるだろう」

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   新型コロナウイルスの感染拡大で人工呼吸器が世界的に不足する中、広島大などの研究チームは27日、3Dプリンターで代用装置を作れる製図データを世界に無償提供するプロジェクトを始めたと発表した。簡易的な人工呼吸器だが、日本を含めて医療機器として認証する国はまだない。無償提供して各国に認証手続きを急いでもらい、早期の実用化を目指す。

 この装置は、原料の樹脂があれば一般的な3Dプリンターでも約8時間で作ることができる。手のひらサイズで約50グラム。酸素ボンベなどにつなぎ、1度患者の肺に空気を送り込めば自動で動き、空気の出入りを助ける仕組み。電気制御の必要はない。

 開発者は、国立病院機構新潟病院(新潟県柏崎市)の石北直之医師。もともと宇宙空間での利用を目指し、米航空宇宙局(NASA)との共同研究で2017年1月に原型を完成させていた。

 新型コロナウイルス感染症の重症患者が増え、世界各国で人工呼吸器の不足が深刻化する中、今月中旬に実用化を加速するチームを発足。広島大トランスレーショナルリサーチセンター(広島市南区)で医療技術開発に取り組む木阪智彦准教授(循環器内科)が共同代表に就いた。

 重症者が急増しているイタリアや米国などから問い合わせが殺到しており、既にデータを送信している。装置を普及させる人材と、認証手続きや製品の品質管理を進めるための資金が不足しているとしてクラウドファンディングなどで支援を募る。

 広島大霞キャンパス(南区)でこの日、記者会見した木阪准教授は「一日も早く認証を受け、危機的状況にある医療現場を助けたい」と強調した。

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参考

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新型コロナで“危ない薬”と新型肺炎重症者を回復させた「ECMO治療」とは? ( ECMOは全国に1400台ほどある)  3000台まで導入予定?


 
  新型コロナウイルスの感染について、政府の専門家会議は、今後、患者が爆発的に増える恐れもあると指摘した。欧州では急激に感染が拡大し、世界での死者は1万人を超えた。世界の研究機関が治療薬の開発を急いではいるが、現状は市販薬をめぐる見解で大きな騒ぎになっている。

「新型コロナウイルスでイブプロフェンなどの抗炎症薬を服用すると、感染を悪化させる可能性がある」

 フランスのベラン保健相が、3月14日にツイッターでつぶやいた内容が物議を醸している。

 世界保健機関(WHO)は17日、「高い死亡率につながる証拠がない。調査を進めている」と言及。ところが、その後、「使用を推奨していない」、さらに「控えることを求める勧告はしない」と二転三転した。

 イブプロフェンの使用については、医学雑誌のランセットにも、「コロナウイルスの感染が増幅する」とする記事が掲載されている。

 イブプロフェンとはどんな薬なのか。呼吸器の専門医、池袋大谷クリニックの大谷義夫医師は、こう説明する。

「ロキソニンやボルタレンなどと同じ、非ステロイド系抗炎症薬というタイプの薬で、痛みをとったり熱を下げたりする作用があります。医療機関で処方されるほか、市販薬として薬局やドラッグストアでも扱っています」

 今回のWHOの発言について、NPO法人「医薬ビジランスセンター(薬のチェック)」理事長の浜六郎医師は、こう指摘する。

「ウイルスは熱に弱いので、解熱するとウイルスは再増殖します。特に非ステロイド系抗炎症剤は免疫も落とすので、感染症が重症化して死亡率が高まります。決して使ってはいけません。WHOはイブプロフェンの使用制限を撤回しましたが、多数の疫学調査や感染動物を用いた実験で死亡率を高めるという確実な証拠があるのに、そのことに触れていない。(仏保健相が推奨する)アセトアミノフェンでも平熱まで下げると、感染症を悪化させます」

 一方、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は、

「WHOは研究機関ではなく行政機関。今回の薬の使用についての発言は、一線を越えている。イブプロフェンがコロナ感染を増幅するのは仮説に過ぎず、記事を掲載したランセットにも違和感を覚える」

 と、今回の両者の言動に対しては批判的だ。

 実際の医療現場ではどうなのだろうか。

 新型コロナに限らず、風邪などの一般的な呼吸器感染症では、非ステロイド系抗炎症薬を持続的に服用することはお勧めしないと、大谷医師。その理由についてこう述べる。


 「私たちは感染症にかかったとき、体温を上げることで微生物の増殖を抑えるといわれています。むやみに熱を下げるのは好ましくないのです。ただ、起き上がれないほどつらい熱があると、体力が奪われて免疫が低下してしまう。そのときは頓服として、熱の下げ方がマイルドなアセトアミノフェンを使います」

 国立感染症研究所の報告によると、発症した新型コロナ患者の約6割に熱症状があった。

 だが、新型コロナが流行している今は少なくとも、発熱に対する非ステロイド系抗炎症薬の服用については、慎重になったほうがよさそうだ。

 命の危険がある新型コロナによる重症患者を救う手段として、今、期待されているのが、「ECMO(エクモ=体外式膜型人工肺)治療」だ。日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本呼吸療法医学会の集計によると、3月11日時点で、ECMO治療を受けた重症の新型コロナ患者は23人。このうち12人が回復、11人が治療継続中で、死亡した人は一人もいない。

「回復した方の中には人工呼吸器も外れて、退院された方もいます」

 こう話すのは、日本COVID−19対策ECMOnet代表の竹田晋浩(しんひろ)医師。学会のバックアップを受け、新型コロナのECMO治療の陣頭指揮をとっている。

 ECMOは、肺に変わって血液内に酸素を供給し、二酸化炭素を除去する装置。首や足の付け根から血管内に挿入したチューブで血液を体外に出し、装置のなかでガス交換を行ってから、体の中に戻す。

 なぜ、この治療が重症患者を救うのか。その理由を、竹田医師が解説する。

「現在、重症の呼吸不全の患者さんには、人工呼吸器を使った治療が行われていますが、肺の機能が低下するほど人工呼吸器の設定を強くしなければならず、それがかえって肺にダメージを与えてしまっています。この悪循環を断ち、肺を休ませて、呼吸機能の回復を図るために用いるのがECMOです」

 2009年に新型インフルエンザが流行した時、欧州で重症の呼吸不全の患者にECMOを使ったところ、約7割の患者に有効だった。以来、日本でもECMO治療の体制を整えた。

 学会の調べによると、ECMOは全国に1400台ほどある。このうちの一部が現在、新型コロナ対応に用いられている。

 この治療が受けられるのは、重症の呼吸不全を起こした患者で、年齢や持病の状態など、総合的に適応かどうかが判断される。

「新型コロナの流行から1カ月以上経ち、重症患者さんの経過なども少し見えてきました。その中でわかったのは、適応があれば重症の方でもECMOで救命できる可能性があるということ。期待できる治療だと思います」(竹田医師)

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