AIで運転支援、共同開発 ホンダとソフトバンク
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 ホンダとソフトバンクは人工知能(AI)を使った自動車の運転支援システムを共同開発する。走行データのほか、表情や声のトーンから感情や嗜好を分析。行動パターンを推測し、運転手が欲しい情報を対話形式で迅速に提供する。車が学習しながら知識を蓄え、人のように会話したり作業を代行したりできる新たな仕組みを目指す。


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7月19日

ソフトバンク 英ARM買収 IoT強化が焦点


通信大手のソフトバンクグループは、イギリスに本社を置く世界的な半導体開発会社ARMホールディングスをおよそ3兆3000億円で買収すると18日発表しました。会社側はあらゆるモノをインターネットでつなぐIoTと呼ばれる技術を次の成長分野に位置づけており、巨額の買収額に見合う形でどこまで強化できるかが焦点となります。



ソフトバンクは、イギリスに本社を置く半導体開発会社ARMホールディングスのすべての株式をおよそ240億ポンド(日本円で約3兆3000億円)で取得し、完全子会社とすることで両社の間で合意したと18日発表しました。
ロンドンで開いた記者会見で孫正義社長は買収の理由について、あらゆるモノをインターネットでつなぐ新しい技術IoTの事業を強化することがねらいであると説明しました。そのうえで孫社長は「この規模の投資は初めてであり、大きな賭けであるが、次の大きなパラダイムシフトはIoTになる」と述べ、インターネットの主役がパソコンからスマートフォンに移ったように、次はIoTに移行するとして、IoTに欠かせない最先端の半導体技術を持つARMを買収する意義を強調しました。
ソフトバンクを巡っては、中国のネット通販最大手アリババグループなど保有する株式を相次いで売却し、総額1兆8000億円の資金を確保していますが、今回、金融機関から新たに1兆円の資金を借り受けるとともに、アメリカの携帯電話会社などこれまでの相次ぐ買収で、ことし3月の時点で有利子負債はおよそ12兆円に上っています。これについて孫社長は「携帯電話事業などで安定して手元の現金は確保されており、実際の負債は大きくは変わらない」と説明しました。
日本企業による海外企業の買収としては、過去最大規模となる今回の買収にあたって会社側が次の成長分野として期待するIoTの事業を巨額の買収額に見合う形でどこまで強化できるかが焦点となります。


ソフトバンクがねらうIoT

IoTは工場の生産設備や製品などあらゆるモノにセンサーと通信の機能を持たせ、それをインターネットでつなぐ新しい技術です。
例えば世の中のあらゆる家電製品がネットにつながると、冷蔵庫の中身の食品をコンピューターが把握して外出先にいる家族に対し自動で買い物が必要な品を伝えたりできるような活用方法が考えられています。
また、これから実用化が進む自動運転車と、道路の標識や信号などがネットで結ばれると、車どうしが位置情報を交換したり、車と道路の標識や信号と連携したりして、交通事故や渋滞を防ぐことができるようになると指摘されています。
このようにIoTの技術によって、利便性や生活の質を大きく高めることができると期待されているのです。
また、工場の生産設備や工業製品に導入すれば、そこから得られる膨大なデータを製品の開発や故障の予測に生かすこともできるとされています。


消費電力低いARM社の半導体

ARMが手がける半導体製品の基本設計の技術は、特に消費電力の低さが特徴です。IoTの世界では、センサーや通信を制御するための半導体製品をあらゆるモノに組み込む必要があり、消費電力の低さは大きな強みになると見られています。さらに、ソフトバンクとしては、セキュリティーの強化にあたっても半導体の技術は欠かせないとしています。IoTが普及すれば、さまざまなモノがネットにつながるため、外部からのハッキングなどのリスクも高まります。製品に組み込まれる半導体にセキュリティー対策を施すことで、こうしたリスクに備えることができるとしています。
ARMの技術が採用されているのは、現在は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器が中心ですが、ソフトバンクとしては、将来、その用途が大きく広がると期待し、買収によってIoTの分野で主導権を握るねらいがあります。

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ソフトバンク 半導体会社ARMの買収で合意

通信大手のソフトバンクグループは、イギリスに本社を置く世界的な半導体開発会社、ARMホールディングスを買収することで両社の間で合意したと発表しました。買収額はおよそ240億ポンド(およそ3兆3000億円)に上り、日本企業による海外企業の買収としては過去最大規模となります。



発表によりますと、通信大手のソフトバンクグループはイギリスに本社を置く半導体開発会社、ARMホールディングスのすべての株式を取得し、完全子会社とすることで両社の間で合意したということです。

ソフトバンクはARMの株主や、イギリスの裁判所の承認を得たうえで、ことし9月末までに株式のすべてを取得することを目指します。買収額はおよそ240億ポンド(およそ3兆3000億円)に上り、日本企業による海外企業の買収としては過去最大規模の案件となります。

ARMホールディングスは、スマートフォンやタブレット端末などに使われる半導体を設計し、そのライセンスを世界の半導体メーカーに提供していて、世界の市場で圧倒的なシェアを持っています。

ソフトバンクは今回の買収で半導体の分野に参入し、スマートフォンの中核技術をおさえるとともに今後、家電製品や自動車などあらゆるものをインターネットで結ぶ「IoT」の技術でも主導権を握るねらいがあるものとみられます。


孫社長「IoT強化のため投資する」

ソフトバンクグループの孫正義社長はイギリスのロンドンで記者会見し、「ARM社は非常に尊敬すべき会社であり、ソフトバンクの一部になればと思ってきた。とても興奮している」と述べました。

そのうえで、「ARM社は、時代の変化に対応できる独自の技術を持っていて、巨大なチャンスのあるIoTの分野を強化するために投資する」と述べ、あらゆるものがインターネットとつながるIoTの分野を強化するねらいがあることを明らかにしました。

イギリスは国民投票でEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたことで、競争力が低下し、海外からの投資が減少するのではないかという見方も出ています。これについて、孫社長は「イギリスに対し、強い信頼を持っている」と述べ、イギリスの投資先としての重要性は変わらないという見方を示したうえで、今後5年間でイギリスでの雇用を倍増させることを明らかにしました。


ARMとは

ARMホールディングスはイギリスに本社を置く半導体製品の開発や設計を手がける会社です。

ARMが開発したCPU、心臓部に使われる半導体製品の基本設計は消費電力が低いことが特徴とされ、携帯電話やタブレット端末などの分野で圧倒的なシェアを持っています。

会社側によりますと、ARMのCPUの基本設計は世界のスマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器のおよそ85%で採用されているとしています。ARMは、半導体の開発や設計に特化し、みずからは生産は行わないいわゆる「ファブレス」企業で、従業員はおよそ4000人です。ほかの半導体メーカーなどおよそ300の企業に対し、基本設計のライセンスを供与するなどして収益を得ているということです。

同じCPUの基本設計で、パソコンでは圧倒的なシェアを持つインテルも、携帯電話やスマートフォンの分野ではARMに大きく水を空けられています。


ソフトバンク これまでの戦略

ソフトバンクは昭和56年、創業者の孫正義氏が24歳の時にパソコン用ソフトの卸売り会社として事業をスタートしました。その後、平成8年にアメリカの企業と共同でインターネット検索サイトを運営するヤフーを設立し、インターネットの分野へ本格的に進出しました。

平成13年に、インターネット接続サービスのYahoo!BBを始めるにあたっては、街頭で「モデム」と呼ばれる接続用の機器を無料で配る大胆な手法でシェアを伸ばし、高速インターネットの分野に価格破壊を引き起こしました。

平成16年には当時の日本テレコムを買収して固定通信の事業に参入し、翌年には、経営難に陥っていた大手スーパーのダイエーからプロ野球の福岡ダイエーホークスを買収して球団経営に乗り出すなど、急速に事業を拡大していきます。

そして、平成18年、ボーダフォンの日本法人を買収して携帯電話事業に参入し、固定通信と移動体通信の両方を手がける大手通信グループへと成長しました。携帯電話事業では国内の携帯電話会社で最初にアップルのiPhoneを導入して契約者数を伸ばすとともに、PHSのウィルコムやイー・アクセスを買収しました。これによって、国内の携帯電話業界はNTTドコモとKDDI、それにソフトバンクの大手3社に集約されることになりました。

買収攻勢は海外にも広がり、3年前の平成25年にはアメリカの大手携帯電話会社、当時のスプリント・ネクステルを買収し、世界的な通信グループの一角を占めるまでになりました。さらに、スプリントを通じて同じアメリカの携帯電話大手、TモバイルUSの買収も目指しましたが、現地の規制当局が寡占化への懸念を強めたことで買収を断念しています。

おととしにはグーグルの元幹部、ニケシュ・アローラ氏を経営に参画し、アジアの国々でインターネット通販を手がけるベンチャー企業などへの投資を進めていました。しかし、アローラ氏は先月、突然、退任することになり、これについて孫社長は「60歳の誕生日にニケシュにバトンを渡すつもりだったが、あと1年に迫ってもう少し社長を続けたいと欲が出た」と述べ、事業の拡大に強い意欲を見せていました。


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